第21回労働行政研究活動中央レポート
今日の労働者のおかれている実態と労働行政が果たすべき役割
【目次】
はじめに
第1章 全労働の行研活動の到達点と第21回行研のとりくみ
1.全労働の労働行政研究活動の到達点
2.第21同行研の意義と目的
3.第21同行研の具体的とりくみとその結果
第2章 アンケート結果にみる労働者のおかれている実態
1.アンケート結果にみるリストラ・「合理化」の実態
2.アンケート結果にみる離職者の状況と意識
3.進まない労働時間の短縮
4.「残業規制」とサービス残業
5.過労死に対する不安と健康管理
6.女性労働者の労働の実態
第3章 財界の推し進める労務戦略と労働行政
1.財界の推し進める労務戦略
2.労働者の願いに背をむけ、財界の労務戦略を後押しする労働行政
第4章 労働行政の役割をめぐる労働団体や学者・研究者などの論議や政策提言等の動向
1.財界・政府を後押しする論議とその特徴
2.「規制緩和」や労働基準の弾力化を批判し、労働者保護と規制拡充を求める意見
3.「規制緩和」の本質を鋭く突くマスコミ論調
4.労働団体や労働弁護団などから相次ぐ「規制緩和」批判や労働行政への政策提言
5.労働法制をめぐるILOなどの動き
X 今日における労働行政の果たすべき役割
1.私たちの考える労働行政と労働法制の存在意義
2.アンケート結果などにみる今日の労働者が置かれた労働と生活の実態およびその改善方向
3.今日における労働行政が果たすべき役割
はじめに
1990年の後半から始まり戦後最悪といわれる今次不況は、94年9月の政府による「景気は緩やかながら回復の方向へ」という宣言にもかかわらず依然として深刻な状況が続き、政府統計による1995年平均の完全失業者数は210万人、完全失業率が3.2%となり失業率は1953年の調査開始以来最悪の数字を記録しています。このような中で、不況・円高を口実にしながら大企業は大規模なリストラ「合理化」を強引におしすすめ、労働者や下請け企業を犠牲にしながらいっそう利潤を増大させています。
このようなかってない規模での企業のリストラ「合理化」攻撃のもとで、民間の各職場では、賃金抑制、成績主義・能力主義の強化と年功賃金の見直し、終身雇用の形骸化とひとべらし「合理化」、出向・配転の常態化、管理職を含む中高年の切り捨て、女性や高齢者などにみられる不安定雇用労働者の拡大、超過密労働とサービス残業の横行、思想・組合差別などがすすみ、度重なる権利侵害により働きがいが奪われ、性別・年齢、階層を問わず、すべての労働者が仕事と職場の将来に対し不安をいっそう大きくしています。
一方、労働者の雇用や労働条件をめぐるこのような矛盾の広がりにもかかわらず、労働行政の諸施策は、後述するように真に労働者保護のためにその役割を果たしているとは言えず、むしろ大企業を中心とする企業のリストラ・「合理化」や財界が主張する規制緩和要求に呼応するかたちで展開されており、雇用調整の支援、有料職業紹介事業や労働者派遣事業の適用対象職種・業務の拡大、労働契約法制の見直し、裁量労働制の適用範囲の拡大、女子保護規定の緩和の検討に見られるように、労働条件の悪化をいっそう促進する方向での動きを強めています。
したがって、今日の労働者が各職場で実際にどのような状況に置かれ、労働行政に何を求めているのか、労働行政が真に労働者・国民のための行政として機能するためにどのような役割を果たすべきか、こうした点の解明は行政民主化の観点から急務の課題であると同時に私たち自身の働きがいの問題としても重要です。
第21回労働行政研究活動は、このような問題意識のもとに全国の仲間の手ですすめられてきました。本中央レポートは、1995年12月6〜8日に開催された全国集会をはじめとする全国的な討論によって補強されたもので、あらためて全国の仲間の奮闘に感謝します。
なお、中央レポー卜の構成は次のとおりです。
第1章では、全労働の労働行政研究活動の到達点をあらためて確認した上で第21回行研渚動の意義や目的、とりくみの概要等について述べています。
第2章ではアンケート結果にもとづいて「今日の労働者の置かれた実態」の特徴点を分析しています。ここでは、アンケートの共通部分を中心に雇用調整の実態や労働条件をめぐる全般的な状況について明かにするとともに、職域ごとの観点にもとづく諸問題を明かにしています。
第3章では、これらの諸問題を生じさせている財界の労務戦略とこれに追随する労働行政や労働諸法制の動向について諸資料をもとに分析・批判しています。
第4章以下では、以上の分析を踏まえて、「今日の労働者が置かれた実態」をめぐる諸問題とこれを解決するために労働行政が果たすべき役割等について総括的に明かにしています。
第1章 . 全労働の行研活動の到達点と第21回行研のとりくみ
1.全労働の労働行政研究活動の到達点
全労働は1960年に第1回の労働行政研究集会(中央集会)を開催して以来、真に労働者国民のための労働行政の確立をめざして、今日まで20回にわたり行政研究活動を展開してきました。
全労働の労働行政研究活動は、初期の段階では、中央集会での個人や少数グループによる研究報告を中心とする活動にとどまっていましたが、その後回数を重ねるにしたがい、単なる政策や業務の批判・暴露にとどまらず、たたかうべき課題を明らかにし、勤労国民との共闘の場で、実践的にその課題にむかってたたかう努力を積み重ねてきました。
1975年の全労働第18回定期大会では行研活動の強化にむけて、「行研活動と行政民主化闘争との実践的結合を重点課題とし、研究活動を『机上研究』や『企業内研究』にとどめず地域の労働者、民主勢力、市民団体等と大胆に交流し・・発展させる」として「行政酷書」運動を提起しました。この行政酷書運動は、その後の「これが労働行政だ(労基署・安定所職員の手記から)」(1976年)へと発展し、社会的反響を呼びました。
こうした到達点を踏まえて、全労働第19回定期大会では、行政研究活動の抜本的強化の方針が決定され、中央行政研究推進委員会を設置して具体的方針を検討しました。その具体的方針の特徴は、(a)全支部・全分会で統一したとりくみを展開することを打ち歯したこと、(b)全労働の特性を活かした調査活動を提起し実証的研究を中心にすえたこと、(c)行研活動の成果を行政民主化闘争に着実に活かしていく方向を明確にしたこと等にあります。そして、これらの方針のもとにとりくまれた第15回行研活動では、中高年齢労働者や労災職業病等の課題を統一テーマとして設定し、アンケート調査、座談会、訪問調査活動等をとりくみ、労働者、民主団体、研究者との間で交流と研究がすすめられました。
その後の行政研究活動もこのような活動スタイルが引き継がれ、第16回から第18回行研活動では、中高年労働者、労災年金受給者、パート労働者、派遣労働者等の諸問題を全国全組織でとりくみ、行研活動は飛躍的な前進をとげました。
第19回行研活動では、それまでの活動の成果と到達点を踏まえ、運動の原点である職場でのとりくみを重視し、「労働行政の現状と問題点・その果たすべき役割(その1)」をメインテーマとし5つの関連するサブテーマを設定して斉支部が独自性・地域性により選択する方法をとりいれ、日常業務に根ざした研究の方向を明らかにしました。そして、前回の第20回行研活動は、「労働行政の現状と問題点・その果たすべき役割(その2)」をメインテーマとし、雇用保険制度、助成金制度、高年齢者の雇用問題、労働時間法制、労災補償等の諸問題をサブテーマとして研究活動を展開しました。
一方、この間、労働者・国民の立場にたった労働政策を確立する活動も着実にすすめられ、学者・研究者との共同による「労働政策研究会」の報告(1983年)が発表され、また職場代表による検討・対策委員会が設置されて、職業安定、監督、安全衛生、労災、婦人少年の各行政分野ごとの政策づくりが行われました。さらに、これらを集約して、「民主的労働行政実現のための全労働の提言(案)」(1984年)が発表されました。また、第20回行研活動を引き継いだとりくみとして本年3月には「過労死等問題検討委員会報告」(1995年)が発表されるなどこれらの活動は行政民主化のとりくみを前進させる上で大きな役割を果たしてきました。
こうして全労働の行政研究活動は、過去20回にわたる活動を通じて、アンケー卜調査、支部行研集会、シンポジウム、座談会の開催等による全組合員参加の活動として定着するとともに中央・地方において他の労働組合や学者・研究者等民主的諸勢力との交流や共同のとりくみを発展させ、労働行政民主化の運動を広範な運動へ前進させるための役割をはたしているといえます。また、研究活動をつうじて職場の仲間が行政をみつめ直し、「仕事そのものがたたかいの課題」であることを認識するとともに、研究成果のうえにたって、種々の政策提言や当局への申し入れを行い、民主的業務運営や労働条件の改善においても一定の役割を果たしています。
2.第21回行研の意義と目的
第21回行研は、1993年7月に第1回中央行研推進委員会を開催して以降、支部意見の集約もはかりながら基本的観点や研究テーマ、とりくみ等について検討を重ね、1994年4月の支部担当者会議及び同年6月の第86回中央委員会を経て「第21回労働行政研究活動推進要領」を作成し具体化をはかってきました。
(1)第21回労働行政研究活動の基本的観点
第21回行研は、これまでの20回にわたる行政研究活動の到達点とその成果のうえにたって新たな成果をめざし、以下のことを基本にとりくみをすすめてきました。
(a)今日の労働者の置かれた実態と労働行政の問題点を明かにし、労働者、国民本位の行政とするための改善方向を明かにするようとりくみました。
(b)産業構造の変化や高利潤体制の新たな構築をめざす企業のリストラ「合理化」の推進に対応し、労働法制の改悪や労働政策の転換がすすめられています。今日の労働行政の変化が職場の日常業務のなかにどのようにあらわれているのか、分析・検討を行うなかで、労働行政の変化の実態を明かにするようとりくんできました。
(c)研究活動にすべての組合員が参加することを追求しました。研究活動への参加をとおして、行政民主化のたたかいを職場に根づかせ、日常業務のなかで、労働者、国民のための労働行政を追求し、なかでも次代を担う青年が労働者、国民の立場にたって正しく見つめ、批判できる力を培うことを重視してきました。
(d)すべての支部、分会で推進体制を確立し、職場のなかに行政民主化の議論をまきおこし、研究活動の成果を全体の合意のもとに、職場で実践するとりくみを重視してきました。
(e)地域の住民や労働者の生活と労働行政のかかわりに目をむけ、共同のたたかいを重視しました。
(2)研究テーマ
第21回労働行政研究活動のテーマは「今日の労働者の置かれている実態と労働行政が果たすべき役割」としました。
テーマの設定にあたっては、93年9月に行った「第21回行研活動アンケー卜」の支部意見をふまえ、日常業務に関連した身近な課題をとりあげつつ、専門性を生かしたより深い分析、検討を行い、同時に労働行政の今日的な課題に応え得る内容となることを重視しました。
不況の進行のなか大企業がリストラ「合理化」を強行するもとで、中小零細企業の経営の維持、雇用の確保も困難をきわめています。また、不安定雇用労働者の打ち切り、解雇、配転、出向、一時帰休等の人減らし「合理化」、労働条件の切り下げがすすんでいます。
このような、企業の雇用調整の状況、労働条件の変化、離職の原因、就職にあたっての希望、労働時間、健康管理状況など労働者の生活と労働がどのような状況にあるのかを直接私たちの手で明らかにし、労働行政に何が求められ、どのような役割をはたしているのかをさぐり、改善方向を明らかにするためにこのテーマを設定しました。
3.第21回行研の具体的とりくみとその結果
第21回労働行政研究推進要領にもとづき、各支部では支部行研推進委員会を設置し具体的とりくみを展開してきました。主なとりくみは次のとおりです。
(1)アンケート調査
「今日の労働者の置かれている実態と労働行政が果たすべき役割」を明らかにするための調査研究の中心的なとりくみとして、1994年9月から1995年1月までの期間、労働者、労働組合、事業場に対するアンケート調査を行いました。
調査内容は、企業がすすめる雇用調整や「合理化」及び労働条件の切り下げ等の広範な実態を明らかにすることを基本として、さらに、労働行政の各職域の専門性を生かすという観点から、私たちが直接従事している職業安定行政、労働基準行政、婦人少年行政等の各行政の諸施策に即して労働者の実態を把握するという立場をとり、「窓口にあらわれた労働者の実態と職業紹介・雇用保険制度のあり方」(職安職域)、「長時間過密労働と健康破壊・職業病の実態と基準行政の役割」(基準職域)、「女性労働者の現状と婦人行政の役割」(婦少行政)といった観点を設定し、4種類の調査票を作成しました。(巻末調査表参照)
また、アンケー卜調査は、全国の職安・基準・婦少の各行政職域で働く全労働の組合員が窓口での面接等により実施し、全国各地域の労働者・事業所・労働組合から回収したものです。
これら4種類のアンケート調査の調査対象・回収数等の内訳は次のとおりです。
(a)アンケート1(求職者アンケート)
調査対象⇒調査時点で安定所の窓口を訪れた受給者や一般求職者
回収数〜6,533件
(b)アンケート2(事業所アンケート)
調査対象⇒調査時点で安定所の窓口に求人申し込み、各種助成金の申請等に来所した事業所
回収数〜3,253件
(c)アンケート3(労働組合アンケート)
調査対象⇒各都道府県の労働組合名簿から任意に抽出した労働組合
回収数〜931件
(d)アンケート4(在職者アンケート)
調査対象⇒全国の監督署の来署者や組合員の友人・知人で民間事業場の在職労働者
回収数〜4,051件
なお、以上により回収した調査対象の属性別の内訳は表1〜表3のとおりです。
(2)組合員メモ活動
アンケート調査による労働者の実態の把握と同時に、全労働の組合員がみずからの業務を通して感じている労働行政の諸施策や業務運営に対する問題意識を記述するとりくみを実施し、支部レポートや中央レポートに反映しました。
(3)支部行研集会やシンポジウムの開催
アンケート調査や組合員メモを中心として作成した支部レポート(案)をもとに全国の各支部では組合員の参加による支部行研集会やシンポジウムの開催あるいは民主的諸団体に支部レポート(案)を送付して意見を求める等、学者・研究者・労働組合等の参加も得て、今日の労働者の実態と労働行政の民主化についての広範な討論を実施しました。現在までに行研集会が17支部で、シンポジウムが4支部で実施されており、今後の実施を計画している支部もあります。
(4)支部レポートと中央レポートの作成
各支部では、以上のとりくみや文献・資料等をもとに研究活動をすすめ支部レポートを作成しました。また、中央レポートに反映するため10月31日までに27支部から報告があり、現在までに37支部で支部レポートが作成されています。
中央レポートは、中央行研推進委員会において、アンケート結果の全国集計分の分析を中心として、支部から報告のあった組合員メモや支部レポートによって補強しながら作成しました。
第2章 .アンケート結果に見る労働者の置かれている実態
1.アンケート結果に見るリストラ・「合理化」の実態
1.企業の雇用調整の特徴(調査結果からみた企業における雇用調整について)
〜 人減らし「合理化」が大規模に実施されている
調査は、職業安定所の窓口に来所した求職者6,513人(男2,991人、女3,522人)と民間企業に在職中の労働者4,045人(男2,341人、女1,704人)、また職業安定所に来所した事業所3,253事業所、さらに労働組合931組合を対象に、アンケート記入方式により実施しました。求職者アンケート・在職者アンケートとも同様の傾向にありますがリストラ「合理化」の実態がより特徴的にあらわれている求職者アンケートを中心に分析することとします。
求職者アンケートによる、最近一年間に経験した雇用調整やリストラは、「人員削減、採用・補充中止」(29.7%)、「残業規制」(26.6%)の2つが柱となって、「希望退職・勧奨退職・解雇」(20.5%)、「配置転換・出向」(15.6%)、「労働時間制度の変更」(14.6%)、「賃金制度の変更」(12.9%)、「賃金の遅払い・不払い」(4.5%)、「一時帰休」(3.3%)等が様々な方法で実施されています。(図1)
業種別では、全般的に「製造業」での雇用調整の割合が高く(8項目中5項目で割合が第1位)、また、規模別では大企業ほど雇用調整の実施の割合が高く、しかも「残業規制」(1,000人以上で43.6%、以下同じ。)「人員削減、採用・補充中止」(37.1%)、「配置転換・出向」(27.1%)の3つが高率となっているのが特徴です。
事業所や労働組合アンケートでは、雇用調整やリストラ等について「行った」が(事業所34.6%・労働組合40.7%、以下の項目も同じ)で、「残業規制」(35.1%・38.7%)、「人員削減、採用・補充中止」(32.5%・34.4%)、「労働時間制度の変更」(14.5%・19.1%)、「配置転換・出向」(13.2%・20.1%)の順で割合が高く、規模別でも求職者アンケートの回答と同様に大企業ほどその割合が高くなっています。(図2)
長引く不況のもとで、雇用調整は業種、企業規模にかかわりなく、多くの企業において様々な形態で実施されています。こうしたことから、多くの労働者が労働条件の変更等を余儀なくされるとともに、家族の生活にも大きな影響を与えています。
2.労働条件の変化
〜 雇用調整のもとで労働条件は悪化
(1)労働時間の変化について求職者アンケートでは、「短くなった」(15.7%)に対して「変わらなかった」(72.6%)、「長くなった」(11.0%)の合計で83.6%に達し在職者アンケートでも2つの合計が80.9%を占めています。このように労働時間は変わらず、労働時間の短縮は進んでいません。(図3)
「長くなった」の割合の高い業種は、「運輸・通信業」(15.8%)、「卸・小売業、飲食店」(14.6%)、「ホテル・旅館業」(13.5%)等となっています。また、規模別では大きな特徴は見られませんが、年齢別では年齢が高くなるほど「短くなった」の割合が高くなっています。
(2)残業時間の変化について求職者アンケートでは、「変わらなかった」(55.0%)、「少なくなった」(29.3%)、「多くなった」(14.5%)となっています。(図4)
「少なくなった」の割合が比較的高い業種は、「製造業」(43.7%)、「電気・ガス業」(30.5%)、「運輸・通信業」(29.6%)、また、職種では「製造職」(45.1%)、「運転・通信」(31.7%)、「専門・技術職」(29.2%)、「事務職」(26.4%)となっています。
ここにも不況による雇用調整の柱として、「残業規制」が広く行われていることがわかります。
(3)賃金の変化について求職者アンケー卜では、「変わらなかった」(54.8%)、「高くなった」(27.2%)、「低くなった」(17.0%)で、「変わらなかった」又は「低くなった」が71.8%を占め、ここ一年間、ベースアップも定期昇給もなかったり、逆に賃下げとなった人もおり、「賃金抑制」の影響が出ています。(図5)
「低くなった」の割合を年齢別にみますと、「35歳〜44歳」(18.9%)、「45歳〜59歳」(20.6%)、「60歳以上」(22.6%)と年齢が高くなる程割合が高く、より「賃金抑制」の影響が大きくなっています。
(4)人員の変化について求職者アンケートでは、「変わらなかった」(46.2%)、「少なくなった」(42.8%)、「多くなった」(10.3%)と、人員削減が多くの企業で実施されています。(図6)
「少なくなった」の割合の高い業種は、「製造業」(47.4%)、「運輸・通信業」(44.9%)、「金融・保険・不動産業」(39.6%)、「卸・小売業・飲食店」(39.1%)、「ホテル・旅館業」(34.5%)で、また、規模別では規模が大きくなるのに比例して、その割合が高くなっています。
ここにも、長引く不況の下で業種や規模に係わりなく、多くの企業で「人員削減、採用・補充の中止」等の人減らし「合理化」が、大規模に行われている実態が浮き彫りとなっています。
3.労働強化の実態
〜 労働条件が大きく変わり、仕事が「きつくなった」
労働強化について求職者アンケー卜では、「変わらなかった」(52.7%)、「きつくなった」(40.1%)、「楽になった」(6.6%)と回答し、「きつくなった」の割合が3分の1以上を占めています。(図7)
「営業・販売職」「専門・技術職」「運転・通信」「サービス関係」「製造職」等の職種では「きつくなった」の割合が40%以上となっています。また、規模別では規模が大きくなるのに比例して、その割合が高くなっています。
「人員削減、採用・補充の中止」等の人減らし「合理化」が、大規模に進められ仕事量、密度ともにますます高まっています。このような労働実態のもとで、多くの労働者は仕事が「きつくなった」と実感しています。
4.労使協議の問題点〜様々な雇用調整が「手続きなしに一方的に」行われる例も
「事業所アンケート」では、雇用調整やリストラ等を行った事業所(1,127事業所)のうち、労働組合や従業員の代表との協議を、「十分に行っている」(51.9%)、「十分ではないが行っている」(32.8%)、「行っていない」(8.8%)となっています。
同じ設問の「労働組合アンケート」(379労働組合)では、「十分に行っている」(46.2%)、「十分ではないが行っている」(42.7%)、「行っていない」(9.2%)と、ほぼ「事業所アンケート」と同様の傾向となっており、十分、不十分を別にすれは多くの場合労便の協議が行われています。(図8)
しかし、「行っていない」との回答も134件(100人以上で65、1,000人以上で11)あり、こう